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正確な英語を我がものに(1)     社会と産業コース 竹内 孝

2010/12/26 22:58 に 山口文夫 が投稿   [ 2010/12/27 1:56 に更新しました ]

米国西部開拓者からリンカーン宛の手紙
“God damn your god damned old hellfired god damn soul to hell god damn you and god damn your god damned family’s god damn hellfired god damn soul to hell and god damnation god damn god damn them and god damn your god damn your friends to hell”

(from “MADE IN AMERICA , An Informal History of the English Language 
in the United States ” by Bill Bryson, 1994; p.78) 
これは、1860年に米国大統領リンカーンが受け取った手紙です。リンカーンの政策に憤慨した西部開拓者からのものだそうです。あえて日本語で表そうとすれば、次のようになるのでしょうか:
 「こん畜生 おまえなんか地獄で火炙りになってしまえ こん畜生 おまえなんか
くたばってしまえ こん畜生 こん畜生 おまえの家族も地獄で火炙りになって
しまえ こん畜生 おまえの家族もくたばってしまえ こん畜生 こん畜生 こん畜生 こん畜生 みんなくたばれ こん畜生 こん畜生 おまえのともだちも くたばってしまえ」
 日常、英語はぺらぺらな西部開拓者も、文章を書くとなるとこのようになるのか、不思議な気がします。しかし、いかにも単刀直入、はげしい気性丸出しの西部の男らしさが出ており、憤懣やるかたない様子はありありと感じられるような気もします。整った文章で、控え目な表現をする東部の知識人とはまるで違いますね。

聞き流すだけ、辞書はひかない、文法は気にしない?
 ところで、日本では、「聞き流すだけ」「辞書は引かない」「文法は気にしない」「200語で通じる英会話」「幼児が英語を学ぶように」などを特徴とし、英語は通じればよいとするPRが目につきます。確かに、これで勉強すれば、聞いた言葉が英語であるか否かは確実にわかるようにはなるし、日常のやりとりは出来るようになるとは思いますので、それなりの効果は期待できると思います。しかし、「聞き流すだけの英語」「辞書を引かない英語」の理解には限界が大きいことは否めません。

 折角、放送大学で英語を勉強する訳ですから、200語などとケチなことは言わずに、どんどん語彙を増やし、正確に英語を聴き取ったり読んだり、きちんとした英語を話したり書いたり出来るようになりたいものです。
次のような文章は如何でしょうか:
“He’s a writer whose books will be read long after Shakespeare, Dickens 
and Henry James are forgotten. But not until then.”
 これは、東京大学斎藤兆史先生の著書「英語の味わい方」(NHK BOOKS, 日本放送協会 2001年)に紹介されている文章で、”The  Penguin Dictionary of Jokes”edited by Fred Metcalf, (1993; p229)からの引用だそうです。
 この文章が、「この作家の作品は、まず読まれることはない」という意味であることを理解して、その冗談の面白さを解るようにもなりたいものです。

英語辞典、文法書のありがたさ
そのためには、やはり英語の辞書をこまめに引き、英文法のお世話になりながら、いろいろな英語の文章を読み進めるほかはないと思います。

 幸い、日本は、英語辞典の編集については、世界に冠たるものがあり、優秀な英和辞典が数多く出版されております。学習用の英英辞典も、最近ではいろいろな有力出版社から便利な辞典が次々に出されております。これも1942年開拓社から日本の学生のために出版された英英辞典(編集者はA. S. Hornby先生、現在は、Oxford Advanced Learner’s Dictionary of Current English に引き継がれています。)が元祖です。
 英文法書となると、Otto Jespersen: Essentials of English Grammarが有名ですが、言語学の専門家を目指す方は別にして、当面は高校生などが使用する文法書で十分であると思います。茨城学習センターの英会話サークルでは、顧問であられた佐々木先生から、「総合英語 FOREST」(桐原書店)を推薦していただきました。
 英語を母国語としている人々は、幼児期から英語に囲まれて生活しておりますので、言葉の言い回しや文法事項などは、自然に身につくわけですが、大人の外国人はそうは行きません。そこで役に立つのが文法書であり、辞典であると思います。
 さらに、最近では、インターネットの普及で英語学習にも大きな変化が起こっており、無料で気軽に閲覧、視聴出来るコンテンツが増えてきました。英語学習のための至れり尽くせりの恵まれた環境が整いつつあります。

言霊の国日本の特質を生かそう
 古今和歌集の序文に「・・・力も入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思わせ、男女のなかをやわらげ、猛き武士の心をもなぐさむは、歌なり。」とあり、「歌詠みの下手こそよけれ天地(あめつち)の動きだしてはたまるものかは」などと茶化されながらも、古来から日本では、言葉を大切に育んできた伝統があります。この優れた伝統を生かし、英語にも敬意を払いながら、これを我がものにする気概をもって、学習に取り組みたいと思います。





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