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那珂川水害ボランティアに参加して

2019/10/23 7:26 に 山口文夫 が投稿   [ 2019/10/24 2:21 に更新しました ]


                                                                                                                                                                                 2019.10.23

                                                                                                                                                                                  田辺裕美

 1.はじめに

1013日に東日本を襲った台風19号は、各地の河川に氾濫を引き起こしたが、水戸市を流れる那珂川でも水害が発生した。放送大学茨城学習センターから国道123号線を北に2kmほど行ったところにある飯富地区等でも、那珂川の支流である藤井川の堤防の決壊により多数の床上浸水が発生した。また上流の常陸大宮市やその他の場所でも堤防の決壊や越水による氾濫が発生した。水戸市では14日に災害ボランティアセンター(以下、ボラセン)を渡里町の長者山荘に設置してボランティアの募集を開始した。私は常々放送大学に来た帰りなどに自転車で藤井川や那珂川の堤防を廻って帰ることが多く、また水没して屋根だけが見えていたあのコンビニにも毎週のようにお世話になっていたので、全く他人事とは思えず、18日から23日までの間のわずか3日ではあるが活動に参加させてもらった。


 

2.ボラセンでの作業内容の調整

 ボラセンは毎朝9時から受け付け開始で、初めての人はまずボランティア保険に入ってもらい簡単なオリエンテーションの後マッチングを行う。マッチングとは、被災者からのニーズとボランティアの希望を擦り合わせるところで、作業内容の簡単な説明を聞いて各人これならお手伝いできるというところで挙手してもらい、必要人数が集まったら必要な道具を積み込んで現地に行くことになる。ボランティア作業と聞くとまず運搬などの力仕事が連想されるが、必ずしもそればかりではなく、水に漬かったものの洗浄や拭き掃除など細かい気遣いの必要な作業も多い。だから男手だけではなく女手も大いに助けになる。東日本大震災では、水に漬かったアルバムの写真を1枚ずつ洗って干す作業もあった。今回もアジアからの留学生を含む茨大の女子学生のグループが来てくれて大いに助かったと聞いた。とはいえもちろん力仕事も多い。18日は水戸商業の野球部が女子マネも含めて20~30人参加し、片付けが大いにはかどったようだ。

 

3.グループ編成

 グループ編成は個人参加の場合日ごとに変わるのが普通だが、新に気の合った仲間とグループを作ることも可能だ。私は個人で参加して初日には6人のグループに入った。マッチングの席で最初に提示された仕事に挙手した連中である。時勢に違わずボランティアにも高齢化の波が押し寄せており、うち二人は70代、また他の二人は60代後半であった。私が子供のころ60歳と聞くと腰の曲がったおじいさんを連想したが、今の6070歳は皆元気だ。意気投合して後の2日間も基本的にこの仲間と活動することになった。その中の一人ははるばる奈良県から車で来て、水戸の姉の家から通っていた。また我々のリーダーは、仕事が空いているときは全国どこの被災地にでも駆けつけるという“スーパーボランティア”で、一昨年は九州に行き、今回は水戸に駆けつけるまでは千葉の台風15号被災地に行っていたという強者である。なんと彼が放送大学・茨城の学生(ここ2年ほどは休学中)と聞いて驚いた。ゼミの先生や学生など共通の知人の名を挙げていた。

 

4.ボランティアセンターの役目

 今回感じたのは、ボランティア活動を効率的に立ち上げさらに推進していくうえで最も重要なのがボラセンの受け入れ態勢の充実であるということだ。水戸市の場合はボラセンの運営は水戸社会福祉協議会(以下、社協)が担っているが、被災者からのニーズを集約し、押し寄せるボランティアを整理して、如何に効率よく作業を分担してもらうかがボランティア活動の成否を決めることになる。社協の人たちもボラセンの設置は初めての経験という人が大半なので、最初は戸惑いつつの試行錯誤で“交通渋滞”が生じることもある。例えば週末は被災者の依頼が参加者を下回る反面、平日は参加者が不足する場合もある。平日は仕事を持っている現役組の参加があまり期待できないので、我々のように融通の利くリタイア組若しくはパートタイム組はなるべく平日に行くようにしている。

 また被災者からの依頼は遠慮が入るためか必要人数が過小評価になり勝ちで、行ってみるともっと大勢連れて来れば良かったということにもなり兼ねないので、被災者の依頼を聞き取るボラセンの担当者の経験も必要となる。

 

5.ボランティアの作業内容(我々の今回のケース)

 我々は、三日とも岩根町や藤井町という藤井川の決壊箇所からすぐのところの民家のお手伝いに行ったが、古くからの家は地面から1.7mくらいのところまで水位が上がった後が鮮明に残っていた。新しい家は過去の水害に学んで0.5~1mほど盛り土をした上に建てた家が多く、その場合は床上浸水数10cmで済んでいた。それでも水没した畳や家財道具は再使用不可のものがほとんどなので、家主の同意を得てそれらを集積所に運んだり、床板を剥がして床下の泥を排出し、そのあとに消毒用の石灰を撒いたりするのが我々の今回の主な仕事であった。幸い水没を免れた当家の軽トラが集積所までの廃棄物の運搬に使えたお陰で、翌日も筋肉痛にはならなくて済んだ。

 

6.今後に備えて

 調べてみると、那珂川は過去約40年に少なくとも5回氾濫しているが、地球温暖化の影響か、このような風水害は今後も頻発する可能性が高く、我々自身が被災者に成りかねない。今回私は個人で参加したが、最初は単独だと勝手がわからず気後れするので、知り合いと一緒に参加する方がハードルが下がって良いと思う。私も東日本大震災の時は前の会社の同僚と一緒に参加し、勝手がわかってきたので、そのあと北条の竜巻や常総の水害では個人で参加した。茨城学習センターの中に自分もやってみたいという人がいればぜひ一緒に活動したい。学習センターの中には若い人もいるし、また上で書いたように、高齢者でも女性でも力仕事ばかりとは限らないので、十分寄与できるのではないかと思う。

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