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生物学辞典の出版  塩見 正衛

2011/02/07 3:54 に 山口文夫 が投稿   [ 2011/02/07 3:58 に更新しました ]

 2004年の3月ごろだったと思いますが、東北大学理学部のA先生から引き継いで、東京化学同人から出版予定の生物学辞典の編集者に加わることになりました。私の編集担当は、植物生態学、植生学、環境学、海洋生物学などフィールド生物学の13分野にも及び、とても一人で編集できる範囲ではありません。それ故、分野ごとに多くの先生方にお願いして、辞典で取り上げる用語を選択していただくことにしました。そして私自身は、茨城大学の元同僚の先生方に協力をお願いして、一緒に植物生態学分野の用語と植物名および生物統計学の用語の選択を行いました。

用語選択には、植物生態学の国内外の教科書などの索引、イギリスで発行されている環境科学辞典、岩波書店から出版されている生物学辞典などを参考にしました。選択した用語数は植物生態学と植物名だけで600語、私の守備範囲である13分野全体ではおそらく数千語を超えていると思います(辞典全体では2万語だそうです)。それらの用語の解説原稿を依頼するための候補者の決定に始まり、執筆、査読、修正、校正、文体の統一や重複・欠落用語の削除・追加。そういう作業がほぼ整ったのが、私が関わってからでも約7年の月日がたった今年(2010)6月でした。いよいよ1210日に出版が予定されています。準備から出版まで、10年近くもかかっていたから、「原稿はずいぶん前に出したけれど、本当に出版はされるのですか?」というような問い合わせがあった時には、私は何と答えていいのかわからないような時期もありました。

この辞典は、岩波書店の生物学辞典よりも理解し易く、中高の先生や生物同好会などの人たち、もちろん生物学を専攻する学生や研究者たち、誰にもにでもよく分かる解説ということをモットーにしてきたのですが、本当にそのようになっているかどうか。私の願うところは、この辞典が生物の多様性維持や、農業や水産資源の効率的生産に、また間接的ではあっても広く生物学の普及に役立つことです。

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